寺報「順光寺だより」を発行
2015年度から順光寺で寺報(ご門徒向けの会報)を発行することになり、紙面レイアウトとデザインを担当しました。
ご門徒や檀家さんへの情報発信手段として寺報を発行している寺院が多く、順光寺でも寺報編集委員会が発足し、2015年度から寺報を発行することになりました。
寺報のタイトルは「順光寺だより」。順光寺のことを少しでも知っていただけるような情報誌にしていきたいと思っています。
寺報「順光寺だより」は、2015年の暮れに発行。公式サイトに紙面のPDFを公開しています。
「順光寺だより」の方向性
ご門徒の有志で構成された編集委員会を2回開催。寺報のレイアウトについては次の3点に気をつけて行うことになりました。
段組は横書きに
編集委員のお話しによると、最近は団体の会報や学校のクラスだよりなど、横書きレイアウトのものがほとんどなんだそうです。
パソコンの普及とともに、横書きが主流になっていったんですね。
文字を大きく
寺報を読まれる方にはご高齢の方もいらっしゃいます。読みやすくするため、文字のサイズは大きめにすることになりました。
文字のポイント14ポイント以上としました。一般的な文書では12ポイント前後が主流なので、ちょっと文字が大きい印象ですが、読みやすさを再優先に考えてデザインしました。
写真を多めに
写真は多くの情報量を持っています。文字の説明よりも1枚の写真の方が遥かに多くのことを語ってくれるケースも多いです。
順光寺だよりでは、行事の雰囲気を伝えるため写真をできるだけ多く使うようにしました。
Web媒体にはない紙媒体のメリット
私は以前からWebでの情報発信を積極的に行っていましたが、寺報の発行に携わることで、紙媒体ならではの良さを再認識することができました。
手にとって見ることができる
紙媒体は「データ」ではなく「物体」です。
Web媒体は閲覧のための端末(パソコンやタブレットやスマートフォンなど)やインターネット環境が必要ですが、紙媒体は手にとってその場で閲覧が可能です。人を選ばない媒体と言えるでしょう。
IT黎明期に技術の発達でペーパーレス化が進むという意見も多くあったようですが、今現在でも紙媒体がなくなるということはないようです。
保存性に優れている
編集委員会でもいただいた意見ですが、印刷物はストックすることができるのも特長のひとつです。
資料として将来にわたって保存しておきたいものは、やはり紙媒体にしておくのが良いですね。
レイアウトの自由度が高い
印刷物のデザインとWebサイトのデザインを比較すると紙媒体はレイアウト作業が容易です。
配置したい場所に画像や文字を置くことができ、位置を揃えたり、色を一斉に変えたりといったこともクリックひとつで直感的にできます。
逆に、Web媒体はレイアウトのデザインに専門知識がいる上、デザインを変更するときはプログラムコードの数値を変える作業なので、直感的なものとはなりにくいです。
紙媒体にはないWeb媒体のメリット
一方で、Web媒体ならではのメリットもあります。
公開した後も訂正が容易
Web媒体はコンテンツを公開した後も、簡単に加筆修正を行うことができます。「データ」であることのメリットですね。
一方で、紙媒体は印刷物という「物体」なので、発行した後の訂正はできません。校正作業を綿密に行う必要があります。
リアルタイム性に優れている
Web媒体の利点は情報の発信が容易なことです。SNSの普及によりそれがさらに顕著になっています。
紙媒体と違って編集・印刷・配布という手順を踏む必要がなく、テキストや画像データが揃った段階で公開することが可能です。
情報の伝達スピードも早いので、広くリアルタイムに情報を発信できるのが、Web媒体の特長といえるでしょう。
紙面の制限がない
今回発行した「順光寺だより 創刊号」A4サイズで6ページ。その範囲の中に情報を入れていかなくてはいけません。
一方でWeb媒体は紙面の制限がありません。極端なことを言えば、何万字にもわたる文章を1ページに掲載することも可能です。このあたりのことも「データ」と「物体」との違いなんですね。
届ける相手のことを考えて
紙媒体もWeb媒体もそれぞれ一長一短があり、届ける相手の立場に立って発信することが大事なのではないでしょうか。
IT技術の進歩で、誰でも簡単にコンテンツを発信できる時代だからこそ、「誰に」「何を」「どう」伝えるのかを考えていくことは大切なことだと思います。
まずは創刊号が発行できたことを嬉しく思っています。今後も、順光寺とご門徒の皆さんをつなぐ媒体として寺報を継続していきたいと考えています。