光明は、あまねく十方世界を照らし、念仏の衆生を摂取して捨てたまはず
観無量寿経
地域団体の活動を続ける中で、20代〜30代の若い人たちが順光寺を訪れることが増えてきました。
普段、お寺に立ち寄る機会が少ない人も多く、本堂に入ると、内陣のお荘厳や壁の掲示物を興味深く見ています。
お寺に来た若い人たちは、口々にこう言います。
「お寺の本堂って、お香の良い香りがしますね。」
お寺では、仏さまへのお敬いの心で「香り」を「お供え」します。
お香の香りは広く隅々まで行き渡ることから、広く平等に行き渡る阿弥陀如来さまのお慈悲を表しています。
供香
お香をお供えすることを「供香(ぐこう)」といいます。
供香には、「焼香(しょうこう)」と「燃香(ねんこう)」があります。
焼香
焼香は、法要や儀式で行います。
香炉に火をつけた炭をあらかじめ入れておき、抹香(粉末状のお香)をたきます。
その時、右手で香を一回だけつまみ、いただかずにそのまま香炉に入れます。お焼香の後には、必ず合掌・礼拝をします。
阿弥陀如来さまへのお敬いのこころを、お香をお供えし合掌・礼拝するという作法に表したものがお焼香です。
燃香
燃香は、法要や儀式にかぎらずお香をお供えすることです。
ご自宅のお仏壇で燃香を行う場合、お線香を香炉の大きさにあわせて折り、火の着いたほうを左にして灰の上に寝かせます。
浄土真宗ではお線香は立てません。
大きな香炉の灰の中に線状に抹香を並べ、火を点けるのが燃香の元々の形です。
線香が考案されたのは江戸時代初期と言われています。
日々心を込めて
先述のとおり、お香の香りは、すべての人々に行き届く阿弥陀如来さまのお慈悲を表しています。
如来さまの願いを味わいながら、日々心を込めてお仏壇にお供えしましょう。